謎めいた美女 魅惑の独身貴族［村田順子］ ハーレクインピュアロマンス感想ネタバレ

編集部レポート

あらすじと概要・評価

👉謎めいた美女 魅惑の独身貴族 (ハーレクインコミックス)

売れっ子小説家のファーガスはナイトクラブで1人静かに飲んでいた。その前に謎の美女クロエが現れた。

彼女はファーガスが小説家であることを知っていて、さりげなく質問を投げかけてくる。

僕のファンか、レポーターか?　とあやしむファーガスだったが、酔ってきて気づいたら自宅のベットで目が覚める。
自分の部屋にいるクロエがいて一夜を共にしたのに、ファーガスは何も覚えがなくて・・・

【主な登場人物・キャラクターについて】

クロエ・フォックス

政治家を父に持つ黒髪の美女。
ファッションデザイナーこのお話のヒロイン。
愛情あふれた育っていたが、８年前の父のスキャンダルにより辛い思いをしたが、父親の無実を信じている。家族思いの一途な女性。

ファーガス・マクラウド

　大学を卒業後、弁護士になったが、その後　売れっ子の小説家になる。
小説家でハンサム。
家柄もよく学歴もある男性で、このお話のヒーロー。
兄妹同然の仲良しローガンとブライスと三人で独身生活を謳歌していた。
両親の離婚後、スコットランドの祖父の城で育った。　

ブライス・マカリスター

ファーガスの親友。芸術家でハンサム。

シンシア

グリフィンの母親が花嫁候補として推している女性。
従順でクレバーな女性。

ポール・ハミルトン

クロエの父。
元大臣で、８年前のスキャンダルが原因で政界から退いていた。
次期の首相選挙に立候補する予定でいる。
誠実で穏やかな人柄。

デイヴィット

クロエの義兄で姉ペニーの夫。クロエの父ポールの秘書をしている。

【感想】

「謎めいた美女」は、謎の美女クロエが、バーで１人で飲んでいるハンサムな男性ファーガスに声をかけるところから始まります。

｢ご一緒してもかまわないかしら？｣話しかけてきたクロエの美しさに、ファーガスは見とれますが、
不機嫌な様子でクロエの誘いを断わります。

｢ひとりにしておいてくれないか？今日は機嫌が悪いんだ｣と言って断ります。

それでも構わず話し続けるクロエ。

今日はファーガスが兄弟同然に育ったいとこのローガンの結婚式でした。ファーガスとローガン、そして芸術家のブライスは長年ともに独身生活を謳歌してきて『城のように難攻不落の3人組』と言われていたのです。

そのローガンが結婚してしまい、
不機嫌になっていたファーガスは、クロエに話しかけられても相手にせずに飲み続けます。

　一方クロエは、有名な小説家であるファーガスに目的があって声をかけましたが、ファーガスはファンから声をかけられることにウンザリしていて、とりつく島もありません。

クロエは、ある事情で数週間前からファーガスに偶然を装って合う方法を探していました。
結局その方法は見つからず困っていたところ、偶然街で見かけ　彼の入ったバーまでついてきたのでした。

　クロエが肝心の話をする前に帰ろうとしたファーガスは、お酒を飲みすぎたようでタクシーに乗せてくれるようクロエに頼みます。
クロエは、彼をタクシーに乗せず　自分の車でファーガスを家まで送りました。

　翌朝、ファーガスは自宅のベッドで目覚めますが、そこには自分のシャツを着たクロエがいます。

バーを出てからの記憶が無いファーガスは困惑しますが、クロエは一夜を共にしたように装います。

ファーガスに近づいて、目的を果たすために。
ブライスがファーガスを訪ねて来たので、クロエは｢また電話するわ｣とあっさり帰ってしまいます。

女性にモテモテのファーガスに自分の印象を残すために取ったクロエの行動は、ファーガスに強烈な印象を与えました。

　たとえ事情があったとはいえ、見知らぬ人を騙すような行動をするヒロインは、あまり好きではないのですが、
クロエの頭の回転の速さと行動力、男性に媚びない姿勢には好感を持ちました。

　クロエの目的はファーガスの恋人になることではなく、8年前の父の汚名を晴らすことでした。クロエの父親は政治家で、
次期首相候補でしたが、事実無根のスキャンダルのせいで政界から遠ざかっていました。

8年経った今　政界への返り咲きを狙っています。
しかし、ファーガスが8年前のスキャンダルを題材に小説を書こうとしていることを知り、過去を蒸し返され、父の選挙の妨げに
なることを恐れて、ファーガスに執筆を止めてくれるよう説得しようとしていたのでした。

　一方、ファーガスは謎の美女クロエのことで頭がいっぱいになります。
クロエに誘われたディナー中に元首相に声をかけられるクロエ。

ファーガスは、謎めいたクロエに惹かれながらも違和感を感じます。

お互いが惹かれているのに、目的を果たすために、
ぎくしゃくするクロエと訳が分からずイライラするファーガス。

この先がどうなるのか、ドキドキしながら読みました。

　やがてクロエの正体を突き止めたファーガスは、８年前の真実を突き止めようとクロエに提案します。

彼もクロエの父親に会い、
スキャンダルの真相は別にあると感じたからです。
初めは対立する立場だったふたりが同じ目的のために動き始めて安心しますが、
犯人は誰なのか気になるところです。

　最後には、クロエの父親の無実を突き止めますが、真実はクロエにとってショックなものでした。

家族の幸せのために8年前と同じように自分の夢を諦めようとする父にファーガスは行動を起こします。

最終的にはハッピーエンドで終わりますが、
全体的に家族愛や大切な人を思いやる心を中心に描かれていて、ヒーローとヒロインの恋愛のみというストーリーではないところも良かったと思います。

村田先生の描かれるヒーローは誠実で正義感のあるヒーローが多いので、大好きです。そして、なにより美形です(笑）。

ヒロインも美人でチャーミングな女性が多いので、いつも魅力的なヒーロー・ヒロインで安心して読めるので、おススメです。

この作品は、
「魅惑の独身貴族シリーズ」の２作目ですが、
１作目の「古城に集う愛」はローガン、
「奪われた唇」は、ブライスがヒーローになっていて、どちらもお勧めです。
　

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