ブライダル・スイート[黒川あづさ] ハーレクインオフィスラブロマンス感想ネタバレ
さらさ
「ブライダル・スイート」のポイント
- 社長とキャリアウーマンとのオフィスラブです。
- 社長であるヒーローの誤解で一度は解雇されたヒロインが、一緒に仕事をするうちに惹かれ合います。
- ヒロインの思いもよらぬ言動ににプレイボーイのヒーローが翻弄されます。
編集部レポート
あらすじと概要・評価
原作者:デイ・ラクレア
ジャンル:ロマンス
原題:The Bridal Suite
タグ:オフィス
有能なプログラマーのデイナは、大量の酒瓶を運ぶ途中に冷徹で辣腕と評判の社長のグリフィンとぶつかってしまった。
酒瓶は仕事中に飲酒する彼女の上司デイブのものだが、グリフィンは彼女の私物と疑ってしまう。
開発中のプログラムの完成が遅れている中で、グリフィンのデイナに対する心証は悪くなっていきデイナは解雇されてしまう。
ところがグリフィンが、自らの過ちを認めてプログラムの展示会に一緒に行くことになる。
一緒に仕事をするうちに お互いの評価が変わり始めて……!?
【主な登場人物・キャラクターについて】
デイナ・アンダーソン
大学を優秀な成績で卒業するが、就職先がなく先輩であるプログラマーのデイブのアシスタントとして働いている。真面目で自立心が強い女性
グリフィン・マッケンナ
デイナの会社の社長。
やり手だがプレイボーイでゴシップ欄の常連だが、結婚は従順で良妻賢母タイプするのがいいと考えている。
アーサー
デイナの大学時代からの親友。
思いやりがあり、論理的で冷静な男性。
シンシア
グリフィンの母親が花嫁候補として推している女性。
従順でクレバーな女性。
デイブ
デイナの大学時代の先輩であり、上司。もとは優秀なプログラマーだがアルコール依存症で仕事をしなくなっている。
【感想】
「ブライダル・スイート」は黒川あずさ先生が描いた、社長と社員のオフィスラブのストーリーです。
私は黒川あずさ先生の作品を、ハーレクインで初めて読んだのですが、何と言っても絵が素敵です。
登場人物が大人の魅力で溢れているのですが、特にヒーローは大人の色気が漂っていて、他の漫画家さんにはない絵柄が魅力的で大好きな漫画家さんです。
「ブライダル・スイート」は、プログラミングソフトを手がける会社の社長であるヒーローのグリフィンが彼の会社に勤めるヒロインのデイナのことを、仕事をしていないと誤解するところから始まります。
デイナは優秀な成績で大学を卒業しますが、硬い性格のせいで再就職先が見つからず、大学の先輩であるデイブのアシスタントとして働いています。
デイブは優秀なプログラマーでしたが、アルコール中毒で勤務中に飲酒をしていて、開発中のプログラミングソフトの制作が進んでおらず、デイナが仕事をカバーしています。
このままではいけないと考えたデイナがデイブのお酒を同僚に隠してもらいに行く途中でグリフィンにお酒を見られて、デイナが飲酒していると誤解されます。
デイブのものだと言わないところが、就職を世話してもらった先輩デイブへの感謝の気持ちとデイナの優しさですね。
デイブはグリフィンの高校の友達です。
デイナを疑うグリフィンは、デイブに彼女の仕事ぶりを聞きますが、デイブは自分の落ち度を隠すために「彼女はミスが多い」と嘘をつきます。
それを鵜呑みしたグリフィンは、さらに昼休みに男性とレストランでランチをするデイナを見かけ、仕事をサボってデートしていると誤解します。
誰かのためによかれと思った行動が裏目に出て誤解を受けるって経験がある人もいると思いますが、誤解が新たな誤解を生む、負のスパイラルですね。
わたしも「あ?、あるある。」って思いつつ、自分の保身のために嘘をつき、仕事をデイナに押しつけるデイブに腹が立ちましたが、それを鵜呑みにしてデイナを解雇したグリフィンにも腹が立ちました。
結局、誤解が解けて作成中のプログラミングを明後日の展示会で発表するためにデイナに戻ってきてほしいと謝罪に行きグリフィンは自らの過ちを謝り、デイナの望むポストを準備します。
ハーレクインのヒーローは、自分の過ちを認めない・謝らないヒーローがよくいますが、素直に謝るグリフィンに好感を持ちました。
ふたりは展示会のあるマイアミに一緒に行き、ハプニングからブライダル・スイートに泊まることになります。
タイトルは、ここから来ているんですね。
デイナはグリフィンのことをゴシップ誌を飾るプレイボーイと軽蔑していましたが、
仕事を通して惹かれていきます。
ふたりは一夜を共にします。
グリフィンはデイナへの気持ちに気づき、彼女との結婚を望みますが、その気持ちを伝える前にデイナから彼女の長年の親友であるアーサーとの結婚を告げられます。
グリフィンを好きなのに親友を選ぶデイナの気持ちに私は少し切なくなりました。
お互いにこれまで築き上げてきたものを捨てることは出来ない、なんとなく分かります。
真面目で自分の考えをしっかり持っているデイナを感じさせるいいシーンだと思いました。
「ブライダル・スイート」で私が衝撃を受けたシーンは、クビになったデイナがグリフィンにひと言だけ言い放つところです。
クビになる理由がなく、いくらでも抗弁出来たはずなのに、面倒になったデイナはひと言だけ言います。
「ハゲて地獄に落ちればいいわ」
かつてヒーローにこんなセリフを言うヒロインは覚えがありません。
しかも静かにひと言だけ。
そのあとのグリフィンには笑ってしまいました。
デイナとグリフィンの会話のテンポが良く二人の掛け合いがとても楽しかったです。
この作品は、ヒーローとヒロイン共に結婚を意識する相手が他にいます。
デイナには親友のアーサー、グリフィンには母親が勧めるシンシアがいます。
どちらも婚約している訳でも恋人同士でもありませんが、お互いに遠慮し合って先に進めません。
人の良いアーサーと天然のようでクレバーで嫌味のないシンシア。
ふたりとも良いキャラクターでストーリー全体をほっこりさせてくれました。
また、黒川先生の作品は、シリアルなところとコミカルなところがあります。
端整な顔立ちのヒーローやヒロインの顔が崩れるのも面白いですし、そのギャップもとても楽しいです。
黒川先生の作品は、他にも読んでいますが、中でもおすすめは「君主の誓い」です。
シークものになりますが、髭を生やしたヒーローが素敵です。
実は、私は髭を生やしたヒーローってあんまり好みでは無かったのですが、黒川先生の描くヒーローの髭はセクシーで、髭のヒーローもいいなと思いました。
「君主の誓い」には「裏切られたプリンセス」というスピンオフもあって、そちらもおすすめです。
黒川先生のハーレクインの作品は、まだ少ないのでどんどん描いていただきたいなと思っています。
【これから読む方へ】
「ブライダル・スイート」はキャリアウーマンと社長のオフィスラブです。
男性と対等に会話し、バリバリ働くヒロインの颯爽とした姿が格好かったです。
オフィスラブや優秀で自立したヒロインをお好みの方にお勧めです。
頼りなげな可愛らしいヒロインとヒロインを守ってくれる王子様タイプのヒーローがお好みの方には合わないかもしれません。
サンドラ・マートンの作品は、これまでたくさんコミカライズされています。
中でも私が好きなのは、上杉可南子先生の
「恋愛志願」と、アリスン先生の「麗しきレッスン」です。
どちらもプレイボーイのヒーローが地味で目立たないヒロインと恋に落ちるストーリーです。
ヒーローが恋愛対象外と思っていたヒロインの美しさや良さに気づき、夢中になっていくストーリーはワクワクしますね。
機会があれば是非読んでみてください。
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みんなの感想・口コミ・評判1件
誤解が新たな誤解を生む、負のスパイラル、恋愛対象外から徐々にヒロインの魅力に気づいていく感じが凄くいいですね