華麗なるデビュー(緒方凛/シルヴィア・アンドルー)ハーレクイン文庫のネタバレ感想
さらさ
こんにちは。
ハーレクインコミックス大好き主婦の”さらさ”です。
ハーレクインコミックを読み始めて10年くらいになります。
もともと小説やコミックが大好きだったのですが、日常にはないゴージャスな設定や最後は必ずハッピーエンドというハーレクインにすっかりハマってしまいました。
日頃のストレスや疲れを忘れられて、とても良い気分転換になります。
今回は、私の大好きな作品「華麗なるデビュー」をご紹介します。
「華麗なるデビュー」のポイント
- 母親を亡くしたヒロインは男の子として育てられます。
- 今までの自分の存在を否定されたヒロインは、社交界デビューを成功させて誇りを取り戻そうとします。
- 傷ついたヒロインが美しいレディーに成長していくストーリーです。
編集部レポート
あらすじと概要・評価
原作者:シルヴィア・アンドルー
ジャンル:ピュアロマンス
原題:Lord Trenchard’s Choice
タグ:ヒストリカル 愛の復活/運命の再会
偏屈な父親によって男の子として育てられた田舎娘のジョシーは、元気にのびのびと幸せに暮らしていました。
しかし、婚約者に裏切られ、息子として父親にさえも「息子にも女にもなれないできそこない」と罵られて、傷つき自尊心をなくして、居場所さえも失ってしまいます。
そんなときに、ジョシーを助けてくれたのは、亡き母の親友レディ・フランシスと甥のアイボ・レンチャート大尉でした。
レディ・フランシスからジョシーの亡き母の夢であった社交界デビューを勧められ、
自分の存在と誇りを取り戻すため、努力を重ねてジョシーは美しく変身していきます。
やがて、保護者のように接していたトレンチャート大尉と惹かれあっていきます。
アイボ・トレンチャード大尉が、叔母のもとを訪れた折り、田舎道にたたずむサラブレッドに目が留まった。と、突然茂みから少年が飛び出して「馬から離れろ!」と銃を突きつける。
少年をたしなめるうち、実は少女だと気がついた!! ジョシーと名乗る少女は、放蕩者でならすアイボに新鮮な驚きをもたらした。
アイボの周囲には、爵位や財産だけが目当ての軽薄な女性ばかりだから。
ジョシーと親しくなるにつれ、彼女に婚約者がいると知り、なぜかアイボの心は乱れた…。
【主な登場人物・キャラクターについて】
ジョシー・モーリー
早くに母親を亡くし、父親に男の子として育てられた。
利発で乗馬などが得意だが、女性らしいことはしたことがなく、ドレスも着ていない。
素直で屈託がない性格。
アイボ・トレンチャード大尉
ウェリントン侯爵指揮下の武官。
欧州屈指のプレイボーイ紳士だが、周囲に爵位や財産だけが目当ての軽薄な女性ばかりだと失望している。
レディ・フランシス
アイボの叔母であり、ジョシーの母親の親友で名付け親。
ジョシーが父親に男の子として育てられていたことを心配していた。
傷ついたジョシーに手を差し伸べてくれる優しい女性。
ピーター・ラドストック
ジョシーの婚約者。
ジョシーより2歳年上で小さいころからの親友。
優しいが平凡な青年。
ペリグリン
アイボの弟。
母親に甘やかされて育ったせいか軟弱で屈折している。
ロザリンド
可愛らしい容姿だが、したたかな性格で婚約者がいるとわかっていてピーターに近づく。
チャートン夫人
ロザリンドの母親。
未亡人で美しい容姿と優雅な所作ででジョシーの父親に近づくしたたかな女性。
【感想】
この作品は、ヒストリカル作品で、父親に男の子のように育てられたヒロインが社交界にデビューするお話です。
作者は、尾方琳先生です。
たくさんのハーレクイン作品を描かれています。
絵がきれいで、ヒーローとヒロインの性格が詳しく描かれていてとても魅力的です。
特におてんばで活動的なヒロインは活き活きしていてとても素敵です。
ヒーローもヒロインが、長所だけでなく短所もあって、人間的な魅力に溢れているところがとても好きです。
「華麗なるデビュー」の舞台はイギリス。
イギリスがナポレオンと戦っていた時代。
ヒロインのジョシーは、幼い頃に母親を亡くして、跡取り息子が欲しかった父親に男の子として育てられます。
幼なじみのピーターという婚約者がいますが、野山を駆けまわり男の子同士の親友のような関係ですが、幸せに暮らしていました。
ヒーローは、イギリス軍 ウェリントン公爵の部下である大尉のアイボ。彼は軍人として優秀なだけでなく、
プレイボーイの美男子です。
恋の駆け引きに長けていて大人の女性と恋を楽しむ欧州一の色男と呼ばれ、小娘に興味を示すタイプではありません。
アイボは、ジョシーを利発な少年といった感じで可愛がり、ピーターと上手くいくよう見守りますが、
父親とピーターの裏切りにより家族も居場所も誇りも無くしてしまいます。
そんなジョシーを救ったのがアイボとアイボの伯母です。ヒロインが傷ついてボロボロになったとき、
救いの手を差し伸べるヒーロー。
よくあるパターンですが、ヒロインの置かれた境遇があまりに酷いので、
歯ぎしりしそうになり感情移入してしまいます。
ヒロインやヒーローを苦境に追いやる悪役が複数登場するので、
とてもハラハラしました。
この作品の見どころは、ヒロインが傷ついて心が壊れそうになりながらも周りの人たちに支えられながら立ち直り、
美しく成長していく行くところですね。
踏みつけにされても立ち上がり、自分で道を切り拓いて前向きに進んで行こうと
するヒロインのお話は、読んでいて爽快な気分になります。
男の子として育てておきながら、女らしくないことを恥じる身勝手な父親。
外見だけに惑わされて婚約者を裏切ったピーター。
ジョシーから父親と婚約者を奪ったチャートン母娘。
大切な人たちに今までの自分を否定され、
傷つけられた自尊心を取り戻すため、社交界デビューを成功させることにより、自分を取り戻そうと努力するヒロイン。
もともとの利発さや根性と努力でどんどん美しいレディになっていくジョシーと、それを温かく見守るアイボは、
やがて惹かれあいます。
大人のヒーローが、年若いヒロインを一流のレディに育てて、やがては恋に落ちるマイフェアレディのような
ストーリー展開は、定番ではありますが、読み応えがあり、おすすめです。
「華麗なるデビュー」は、スピンオフもあります。
「気高い約束」と「スキャンダラスな花嫁」で、
どちらも全2巻で尾方先生が描かれています。
どちらもドキドキする展開と自ら道を切り拓くヒロインが活躍するので、
あわせて読まれることもおすすめします。
原作者のシルヴィア・アンドルーさんは、ヒストリカルの作品をたくさん執筆されています。
コミカライズもたくさんされていて、中でも原ちえこ先生の「スティープウッドスキャンダル」シリーズや「セラフィーナ」が私は好きです。
「セラフィーナ」は、恋愛だけでなくヒロインが冒険をするストーリーになっていて、
ワクワクとスリリングな展開で、とても面白いですので、機会があれば是非、読んでみてください。
【これから読む方へ】
ヒロインが大切な人たちに裏切られて傷つきながらも、立ち直って幸せになろうとするお話です。
自分勝手な父親に育てられ、傷ついたヒロインが、自ら成長していこうと努力するストーリーです。
ヒロインは、男の子として育てられた過去の自分を否定することなく逆にそれを活かしたうえで、
美しいレディーになっていくところに好感が持てます。
全2巻なので読み応えがありますし、スピンオフもありますので、たっぷり楽しめます。
ヒストリカルロマンスが好きな方、ヒロインが努力して成長していくストーリーが好きな方におすすめです。
ヒロインが傷つく姿や裏切られるところやいわゆる毒親である父親のふるまいを見たくない方は、
楽しめないかもしれません。
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家族とうまく言っていない時、失恋をした時、裏切り、浮気不倫を体験した時に読んだのでポロポロ涙が出ました