雨上がりの告白/さちみりほ/ベティ・ニールズ/ハーレクインを読んだネタバレ感想
まず、この作品の特徴をかんたんにご紹介します。
エマと伯爵のポイント
- ヒーローが医師、ヒロインが看護師のお話です。
- ハーレクインには珍しく、ヒロインはぽっちゃり体型で人目を引く美人ではありません。
- 家族愛が描かれたほのぼのとした作品です。
編集部レポート
あらすじと概要・評価
原作者:ベティ・ニールズ
ジャンル:ピュアロマンス
原題:A Gem Of A Girl
タグ:バージョン ドクター
看護師のジェンマは、病院で働きながら、事故で死んだ両親の代わりに幼い弟と年頃の妹を育てています。
ぽっちゃり体型で素朴な彼女は、ハンサムなドクターのロスに惹かれますが、釣りあわないと諦めていました。
そんななか、勤めていた病院が火事になり、ロスからオランダで闘病中の妹の看病を頼まれ、
ロスとともにオランダに行くことになります。ロスの家族はジェンマを温かく迎え入れ、
美しい妹のリーニータもジェンマに心を開いていきます。
ロスの従弟のレオはジェンマに好意を寄せてきますが、ロスは仕事が忙しくてジェンマとの時間が取れません。
しかも、ジェンマは自分の容姿にコンプレックスを持っていて、好意を寄せるロスになかなか素直になれません。
【主な登場人物・キャラクターについて】
ジェンマ・プランディス
この物語のヒロイン。
病院の看護師。
両親を亡くして、働きながら弟妹を育てています。
真面目で献身的で優しい女性で、病院でも同僚や患者からも慕われています。
ぽっちゃりしていて、美人でもない自分の容姿にコンプレックスをので、
恋愛やおしゃれにもおっくうになっています。
ロス・ベルハイス
オランダ人医師であり大学教授。
ジェンマの務める病院に2週間仕事で来て。
お隣のギボンズ医師の家に滞在しています。
ハンサムで誠実で家族思いな性格ですが、仕事が忙して女性と積極的に恋愛するタイプではありません。
ギボンズ医師
ジェンマの務める病院の医師であり、よき隣人。
フィル、マンディー
ジェンマの妹たち。
ジェンマに家のことをすべて任せて学生生活を楽しんでいます。
ジョージ、ジェームズ、ウィリアム
ジェンマの弟たち。元気な少年たちです。
リーニータ
ロスの妹。
難病に罹っている。
少しワガママに見えるが、優しい少女。
ジェンマにおしゃれのアドバイスをしたり、勇気づけてくれます。
レオ・デ・フォス
ロスの従兄弟で、ハンサムで明るい社交的な青年。
ジェンマに気があるようです。
【感想】
この作品は、ベティ・ニールズという作家さんのお話です。
この作家さんの作品のヒーローは、オランダ人医師がとても多いです。
ご自身が看護師として働いていた経験があるそうなので、それを作品に活かしたんだろうなと思います。
そして不遇な環境に置かれたヒロインにヒーローが救いの手を差し伸べたり、家族愛を描いた心暖まる作品がたくさんあって、
私の大好きな作家さんです。
また、ヒーローは知的で大人の包容力があって傲慢な所がない穏やかな性格なのが魅力です。
さちみりほ先生の作品は、出てくる子どもたちが可愛くて、お年寄りは人情味あふれている魅力的なキャラクターの作品が多いです。
シリアスな中にもコメディ的な要素もあり、ほのぼのとした雰囲気の作品が多いので、
とても好きな漫画家さんです。
この「雨上がりの告白」もヒーロー、ヒロインともに大家族で、子どもたちがたくさん出てきて家族愛が描かれている心温まるストーリーです。
ヒロインのジェンマは、ハーレクインには珍しく、ぽっちゃり体型で地味で美人ではありません。
ファッションや性格も地味で、自分の境遇や容姿から、人生を愉しむことを諦めているようなところがあります。
地味なヒロインが美しく変身するストーリーはたくさんありますが、最後まで変わることがない作品は珍しいのではないかと思います。
「雨上がりの告白」で、私のお気に入りのシーンは、ジェンマが勤めていた病院が火事になり、
入院患者の救出をしたあとのシーンです。
疲れきったロスが帰ってきたときに、ジェンマに笑顔で迎えてられ、
食事を振る舞われるところです。
ロスがジェンマをみて「君はなんて素敵なんだ」と言います。
お互いすすだらけで、ヨレヨレの服を着ていて、髪もくしゃくしゃですが、ジェンマの優しさや温かさにロスが惹かれているのがよくわかったからです。
勤め先がなくなったジェンマは、ロスに難病を患っている妹の看護を依頼されます。
今まで仕事と家事と子育てを一手に引き受けていたジェンマは、家族を置いて行くことに躊躇します。
しかし、これまで家のことをせず学校や遊びに夢中だった妹たちが、今までジェンマばかりに頼っていたことを反省し、
このままではいけないと思っていたことを打ち明けて、これからは自分たちが家のことをするので、
オランダに行ってくるよう勧めます。
ジェンマの今までの頑張りが報われた感動的なシーンだと思います。
オランダのロスの家で、ジェンマは温かく迎え入れられます。
ロスの一家も大家族で、難病に罹った妹のリーニータは、初めは少し反抗的ですが、すぐにジェンマに心を開きます。
献身的に看病するジェンマは、ロスの家族からの信頼を得ます。
まじめで優しい性格のヒロインは多いですが、
ロスの従兄弟のレオはしてを気に入り何度もデートに誘います。
ロスはおもしろくないようですが、
仕事で忙しいのでデートにも誘えず、少しヤキモキします。
ハーレクインのヒーローは仕事ばかりしているイメージが
強いですが、特にドクターのヒーローは休む暇なく働くヒーローばかりですね。
次にお気に入りのシーンは、リーニータが回復してきたこともあって、リーニータのすすめでジェンマはレオとデートします。
リーニータの見立てでおしゃれして出かけるようになります。
レオの家のパーティーで、ジェンマはレオが友人と、3週間でジェンマを堕とせるか賭をしていたと知ったときです。
ロスは、ジェンマに玄関から胸を張って堂々と帰ろう、誰にも笑いものにはさせないと強く促し、
ジェンマは涙をこらえてあいさつして帰ります。
気の利いたことは言えないけれど、誠実で優しいロスの人柄が出ているいいシーンです。
ジェンマは自分の容姿にコンプレックスを持っていて、太っているのでおしゃれしても似合わないと、
あきらめているところがあります。
リーニータに、「太っているからお洒落できないなんて言い訳だ、
恋を諦めるのも言い訳だ」と言われ、最後は勇気を出して前に進みます。
家族に見守られてのハッピーエンドのほんわりとしたラストは、とても素敵でした。
【これから読む方へ】
この作品は、家族愛や穏やかな愛を描いた、ほんわかしたストーリーなので読んでいて、とても癒されます。
ドクターがヒーローのお話が好きな方や、子どもが出てくるストーリーが好きな方におすすめします。
情熱的な恋愛ストーリーや、ホットなラブシーン、ドキドキワクワクするようなシュチエーションを
お好みの方には合わないかもしれません。
私は、他にもベティ・ニールズ原作の好きな作品がたくさんあります。
その中でも「小さな愛の願い」、「幸せをさがして」「幸せなプロポーズ」などがあります。
作品中には、動物もたくさん出てくることも多く、その描写はとてもいきいきしていて楽しめます。
どれもコミックスになっているので、よかったらこちらもオススメします。
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りほ先生のTwitterを拝見すると原作ベティさんに恐縮されていたようですが、難しい描写も独自の世界観でロマロマに描かれていたと思います。