失われた愛の記憶/藤田和子/ケイト・ウォーカー/因縁の恋 、泣けるパッションロマンスを読んだネタバレ感想

編集部レポート

あらすじと概要・評価

👉失われた愛の記憶 (ハーレクインコミックス)

ヒロインのイブは、突然自分を訪ねてきた見知らぬ男性に責めるように話しかけられて困惑します。

カイルと名乗る男性はハンサムですが、なぜがイブにとても怒っていのです。

話を聞くと彼はイブの夫で、２年間ずっと行方不明のイブを捜していたと言うことです。
イブは２年前に記憶を失くして路頭に迷っていたところを親切な看護師のおかげで住む家と仕事を見つけ、やっと新たな人生に手応えを感じ始めたばかりでした。

本当に自分は、このハンサムな男性と結婚していたのだろうか？
イブはカイルの話を聞いても何も思いだせません。

イブとカイルは、イブの記憶を取り戻そうとしますが…。

【主な登場人物・キャラクターについて】

イブ・モンタギュー

この物語のヒロイン。
記憶を無くして困っていたところを助けられいたが、病人にいた看護師ダイアンの厚意により、仕事と住むところを得て静かに暮らしている。

記憶を無くしたままで不安な気持ちを抱えて暮らしてきた。物語を作るのが上手い、美しく優しい女性。

カイル・ジェンセン

イブの夫。
突然　妻がいなくなり、探し続けていた。
出版社のオーナー。
ハンサムで落ちついた大人の男性。

ギボンズ医師

ジェンマの務める病院の医師であり、よき隣人。

ダイアン

看護師。
イブが記憶喪失で発見されたときに病院に勤務する女性。
イブの優しい人柄を見抜き、イブの身元を引き受けて自宅に住まわせ仕事を紹介してくれた。

ジム

ダイアンの夫。
ダイアンとともに記憶を失ったイブの支援をする。

コートニーとキャロライン

ダイアンとジムの双子の娘。

小学生で、イブの作ったお話を聞くのが大好きでイブを慕っている。
少しおませで 可愛らしい女の子。

【感想】

｢失われた愛の記憶｣は、記憶喪失になったうえ、行方不明になったヒロインのお話です。

イブは、２年前カフェで座ったままの様子がおかしいと保護されます。
自分が誰だか分からず、病院で記憶喪失と診断されたところを、その病院の看護師だったダイアンに助けられて家に住まわせてもらい、仕事をして暮らしています。

それから２年経っても警察の調べでも自分の身元が分からず、自分を探している人も現れない。

イブは、自分が何者か分からないことを不安に感じながら暮らしています。
しかし、今の生活にも慣れてきてダイアンの双子の娘もイブにすっかり懐いてきて、寝るときにはイブが作った物語を聞くのが大好きになっています。

ダイアンは、イブが物語を作るのが上手いので小説の執筆を進めます。イブは、いつも鮮明に思い浮かぶラブストーリーがあり、それを小説にして出版社に応募します。
　
ある日イブに見知らぬハンサムな男性が訪ねています。彼はカイルと名乗り、イブが応募した出版社の人のようですが、なぜが彼は怒った様子です。

彼女を抱きしめて｢生きていてくれた｣と言うカイルは、ほんとうに心配していたようです。
カイルはずっとイブを探しており、イブが書いた小説をカイルの出版社に送ってカイルを呼び寄せたと勘違いしています。

小説の内容は、イブとカイルの出会ってから結ばれるまで、そっくりそのままだったからです。イブが記憶喪失だったことを知ったカイルは驚きます。

ほんとうに自分のこともすべて忘れていると知りショックを受けますが、ダイアンとジムの協力もあり、イブの記憶をなくす前のことを話します。

驚いたことにイブはカイルの妻で、カイルにだけは愛称でイブと呼ばれていたのです。

カイルからこれまでのことを聞いても何も思いだせないイブは、記憶を取り戻すため、ふたりで出掛けます。
ふたりの出会った場所や思い出の場所を巡りますが、イブは何も思い出せません。
イブの誕生日にカイルとふたりで過ごし、結婚後はノーフォークに住んでいたと漠然と思い出したイブは、ノーフォークに行きたいと言います。

ノーフォークに戻り、少しずつ記憶を取り戻すイブは、やがて家を出る原因になった悲しい出来事を思い出します。
　
ハーレクインでは、ヒロインが記憶喪失になるストーリーが、わりとよくあります。
この作品も内容は自体は特に珍しい設定でもなく、オーソドックスなハーレクインらしい作品だと思います。

しかし、やはり藤田先生ですね。

　ヒロインの不安な気持ちや、カイルがイブを探している間の苦悩や、自分のことをすべてを忘れていると知ってからの葛藤がよく伝わってきて、切なくなります。

また、イブの何も思いだせない不安な気持ちや記憶が戻りかけているときの心理状況が繊細に描かれていてふたりに共感でき、どんどん作品に引き込まれていきました。

　登場人物は少ないですか、ダイアンとジムのあたたかい人柄や双子の女の子の可愛らしさが、ほっこりさせてくれます。

最終的にふたりは悲しい出来事を乗り越えてハッピーエンドとなりますが、それも説得力があり、さすが藤田先生だなと思いました。
藤田和子先生は、今さら私が説明するまでもありませんが、少女マンガ界の巨匠ですね。

絵が非常にきれいで、ヒーローもヒロインも美しく魅力的な大人で大好きです。

ハーレクインは、大人のラブストーリーなので、登場人物が魅力的な大人であることが、私にとっては大切な要素です。
あくまで個人的な好みの問題ですが、時々大人の女性であるヒロインがティーンエイジャーや幼い少女にしか見えない絵柄で描かれている作品があります。
申し訳ないのですが、私はちょっと苦手です。
(あくまで好みの問題で、もちろん そういう絵柄や作品が好きな方もいらっしゃいます。決して否定するつもりはないので、お許しください。)　

　そういう意味でも私は藤田先生の作品は大好きです。
ヒーローやヒロインが素敵なことはもちろん、子どもや動物も可愛らしくて大好きです。
　
まだ、ヒストリカルもとても良いのでオススメです。
藤田先生の作品で私が特に好きなのは、｢道化師は恋の語りべ｣｢ボスのプロポーズ｣｢仮面の花嫁｣などです。

【これから読む方へ】

さらさ

今回は藤田和子先生の｢失われた記憶｣をご紹介しました。



ヒロインが記憶喪失のまま行方不明になり、ヒロインを探していたヒーローと再会してお互いの気持ちを確かめ合い、ハッピーエンドになります。

ヒーローとヒロインの心の葛藤がよく描かれていてお互いを思いやる心がわかる素敵な作品です。

激しい情熱や華やかなシチュエーションやワクワクする展開はありませんが、落ちついた大人の作品です。

藤田先生のファンの方はもちろん、初めて読む方にもオススメです。
ハーレクインのストーリーとしてはある意味王道と言える展開だと思います。

👉失われた愛の記憶 (ハーレクインコミックス)

身近な人が亡くなるシーンがありますので、悲しいシーンやヒロインが苦しむシーンが苦手な方には合わないかもしれません。

他の作品のレビューも読む
👉ハーレクインのロマンスライブラリ無料試し読み漫画アプリ月額コース一覧おすすめ口コミ