金の星に願いを(黒田かすみ)クリスマス前に読みたいハーレクイン漫画ネタバレ感想
「金の星に願いを」のポイント
- 登場人物にクリスマスの奇跡が訪れるストーリーです。
- ヒストリカルロマンスならではの、クラシカルな身分違いの恋を楽しめます。
- ヒーローとヒロインだけでなく周りの人物が幸せになっていく心温まる作品です。
編集部レポート
さらさ
あらすじと概要・評価
原作者:メアリー・バローグ
ジャンル:ヒストリカルロマンス
原題:A Handful Of Gold
タグ: シンデレラ バージン ヒストリカル
Kindle【Amazon】金の星に願いを (ハーレクインコミックス)
9世紀ロンドン。
父親を亡くしたヴェリテイは病気の妹の手術費を工面するため、一家でロンドンに出てきました。
偽名を使い、劇場の踊り子として働きますが、踊り子は紳士にとって娼婦同然の扱いを受けます。
ォリングズビー子爵も遊び目的で近づいてきた一人でした。
結婚前の遊びとして 「クリスマス休暇を一緒に過ごせば五百ポンド払う」とヴェリティに申し出ます。
妹の治療代のために受けようとするヴェリティですが、そこにクリスマスの奇跡が起こります。
【主な登場人物・キャラクターについて】
ヴェリテイ(ブランチ・ヘイワード)
牧師の娘。
父親を亡くして母や妹と暮らしている。
病気の妹の治療のためロンドンに引っ越してきたが、生活に息詰まる。
生活と病気の妹の手術代のため身元を隠して劇場の踊り子になる。敬虔なクリスシャン。
ジュリアン・フォリングズビー子爵
将来、伯爵の地位と広大な地所を継ぐ身分だが、遊び呆けていた。
結婚前の遊び納めに、ヴェリティをクリスマス休暇にノーフォークシャーへ連れて行って情熱的な休暇を楽しもうとする。
バートランド・ホランダー
ジュリアンの悪友。
ジュリアンをクリスマス休暇にノーフォークシャーにある自分の狩猟小屋で愛人と楽しもうと誘う。
デビー
ホランダーの愛人。素直で可愛らしい女性
チャスティティ
ヴェリティの妹。
病気のためロンドンのいいお医者さんの治療を受けるためにロンドンに出てきた。
ヘクター・ユーイング将軍
ヴェリティの叔父。
一家の唯一の身内。ユーイング将軍を頼ってヴェリティの一家はロンドンへ出てきたが、和平交渉の会議のためウィーンに行っており音信不通になっている。
【感想】
黒田かすみ先生の作品は、ハーレクインで初めて読みました。
大人のホットな作品も多いのですが、
大人の素敵な男性がヒロインの窮地を救ったり、美しく成長させたりと素敵な作品がたくさんあり、
これまでたくさんの作品を読んできました。
特にヒーローが大人の魅力的な男性の作品が多くて大好きです。
この「金の星に願いを」は、クリスマスを題材にしたストーリーです。
ハーレクインはクリスマスを題材にしたものがたくさんありますが、私は、この「金の星に願いを」が一番好きです。
その理由は、クリスマスの奇跡という言葉がぴったりな心温まるストーリーだからです。
放蕩で自堕落な生活をしていたヒーローが、ヒロインと出会ってクリスマスの奇跡が起こり、
自らの今までの生活から心を入れなおしていくところが素敵だなと思いました。
また、この作品にはイギリスの伝統的なクリスマスの過ごし方が描かれています。
その国や時代の風習や生活や衣装が見られるのでとても楽しんで読むことが出来ました。
これはヒストリカルの大きな魅力の一つと言えますね。
ヒーローのジュリアンは、初めは紳士とは言えないような申し出をヒロインにします。
家庭の事情から素性を隠して踊り子として働くヒロインを高級娼婦と誤解して、クリスマス休暇を愛人として過ごす高額な報酬を申し出るのです。
本来、これはヒーローとしてありえないと思いますし、
淑女であるヒロインがこんな申し出を受けるはずがないのですが、他の男性からの申し出は一切受けなかった
ヴェリティが、妹の病気の治療代が必要だったとはいえ ジュリアンからの申し出を受けたのは、
報酬が目的だったとはいえ惹かれるところがあったからなんだろうなぁと思いました。
ジュリアンの育ちの良さからかガツガツしたところがないところがよかったのかもしれませんね。
クリスマス休暇をホランダーの狩猟小屋で過ごすことになるジュリアンとヴェリティですが、
ジュリアンの計画していたクリスマスとは全く違うものになります。
大雪により旅を続けることができなくなった牧師一家が狩猟小屋に滞在することになったからです。
しかし、不道徳なクリスマスとは真逆の伝統的なイギリスのクリスマスを迎えることが出来たのは、牧師一家の登場だけではなくヴェリティの真面目な敬虔なカトリック教徒であることや育ちはもちろんのこと、メイドたちにクリスマスを楽しもうと提案する行動力や積極的な性格によるものだと私は思います。
それによりジュリアンだけでなく、ホランダーやその愛人のデビーの心をも変えていきます。
愛人として過ごす覚悟ではきたものの、罪悪感と前向きな性格により間違いを犯さずにすんだんのはヴェリティの性格とジュリアンの良心によるものだと思いました。
また、このストーリーで素敵だなと思ったのは、ヒーローのジュリアンの改心です。
牧師一家への思いやりや牧師の子どもたちへの心温かい対応は、もとは彼が真面目で優しいな青年であることを示していますし、初めは踊り子だと思っていたヴェリティのも自らの権利を主張して無理強いすることはなく、紳士的にふるまい、やがては彼女の美しさだけでなく人柄に触れて愛しはじめるところに好感を持ちました。
たとえ鍛冶屋の娘であっても結婚したいと父親である伯爵に申し出る姿は軽薄なところは微塵もなく、
愛していれば身分違いさえも関係なく結婚しようとする意思の強さと誠実さに感動しました。
ヴェリティもジュリアンを愛してしまったからからこそ、愛人となって飽きたら捨てられる存在にはなりたくないと黙って去っていく高潔なところに惹かれました。
最後にはお互いの気持ちが通じてハッピーエンド。
まさにクリスマスの奇跡と思える展開となりほっと一安心でした。
私は、真面目な お堅い優等生タイプのヒロインは少し苦手なのですが、ヴェリティは真面目であってもお堅いというよりも聖母のような優しさと毅然としたところが印象的で素敵なヒロインだなぁと思いました。
「金の星に願いを」は、黒田先生の作品でも特に好きな作品ですが、素敵な作品が他にもたくさんあります。
その中で、特に私のおすすめの作品は、「婚礼の夜に」です。
これもヒストリカルで、もとは内気で叔父夫婦に虐げられていたヒロインが大人になり、知的で自分に自信を持ち、自分の意見をはっきり言えるまでに成長して幸せをつかむところが魅力的です。
ほかにも「ダイヤモンド・ガール」、「ブロンド変身作戦」「大人への階段」などたくさんあり、これらの作品もヒロインが美しい大人の女性に成長する姿が描かれていて、とても素敵な作品でおすすめすので、みなさんもぜひ読んでみてください。
【これから読む方へ】
クリスマスにぴったりの作品です。ロマンチックで情熱的なラブストーリーというわけではありませんが、
クリスマスならではの奇跡が楽しめますので、クリスマスが大好きな方にはぜひ読んでいただきたい作品です。
ヒストリカルロマンスならではの歴史的背景や風習・当時の身分制度などが描かれているので、
現代にはない貴族社会や身分違いの恋の雰囲気を味わうことが出来ます。
ただ、情熱的でホットなラブストーリーや奇抜なシュチエーション、ハラハラドキドキするようなテンポの速い展開や派手なアクションをお好みの方には合わないかもしれません。
特にクラシカルな身分違いの恋やヒロインが道徳的で貞淑なレディであることをお好みの方におすすめします。
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