「美食探偵　明智五郎」著者: 東村アキコ少女コミックを読んだネタバレ感想・口コミ評判

編集部レポート

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日本テレビドラマ化や再放送について

2020年春に日本テレビ　日曜　夜１０時３０分から中村倫也主演でドラマ化されています。
共演者には小芝風花、小池栄子、財前直見、佐藤寛太、北村有起哉　等。
主題歌は宇多田ヒカル。

評価・あらすじ

事件のカゲには食があり食の裏にはナゾがある。
美食家の探偵　明智五郎が、そのグルメな知識を活かして
事件を解決していきます。依頼人の主婦が、依頼した夫の浮気調査の結果、夫は昼休みに毎日　若い女性の手作り料理を楽しんでいたことが分かります。
これが原因となり殺人事件が起こります。

【主な登場人物・キャラクターについて】

明智五郎(美食探偵)

ハンサムだが変わり者の私立探偵。表参道の一等地で「江戸川探偵事務所」を営んでいる。
非常に美食家であり、「東京美食倶楽部」を主宰して月に1回、メンバーで美食を楽しんでいる。
百貨店を経営する祖父を持ち、グルメな知識が富で独特な感性を持つ。

小林苺

この作品のヒロイン。
明智の探偵事務所の江戸川探偵事務所の向かい側で車の移動販売のお弁当屋さん
「イチゴ・デリ」を経営している。車の免許を持っていない明智にたびたびかり出される。
明智からは「小林一号」と呼ばれている。　　　　　

マグダラのマリア

夫の浮気を疑い、五郎に調査を依頼する。家ではいつも同じ料理を作らせていた夫が
若い女性の部屋で様々な食事をしていたことを許せずに殺害する。五郎の目の前で崖から
飛び降りて自殺したと思われていたが、後にマグダラのマリアとして事件の影で暗躍している。

上遠野

明智の大学時代の同級生で警部。明智に誘われて東京美食倶楽部のメンバーになり、月に一度の食事会に参加している。
食事のマナーには無頓着。　　
　

高橋

上遠野の部下で新米刑事。今どきの青年で軽いところがある。明智に捜査情報を漏らしたり、
明智の指示で動いたりする。東大卒のキャリア。

【感想】

「美食探偵 明智五郎」は、表参道に事務所を構える探偵のお話です。探偵というとワイルドとか薄汚れたとかいう
印象を受けますが、明智五郎は百貨店を営む祖父を持ち、自分自身は美形で美食家でキザなところがあります。
ファッションも独特で、特徴的なウェーブのかかった髪型、スーツにループタイで、お金持ちなのに車の免許証を持たず、
空気は読めません。レストランでは品のいい食べ方でワインのセレクトも完璧。誰が見ても謎が多い男性です。

ストーリーは「もしあなたが明日死んでしまうとしたら今夜最後に何を食べる？」という印象的なフレーズから始まります。
明智は地味で貞淑な女性から夫の浮気調査を受けます。彼女の夫は毎日洋服に違う香りをつけて帰宅するという。
香りと言っても、女性の香水ではなく食べ物の匂いという浮気しているのかどうかも分からない不思議な依頼です。

　彼女の夫は科学者で変化を嫌い、自宅では魚と味噌汁しか食べない。その生活を結婚以来10年続けているといいます。
それがスパイシーな香りや煙たい匂い　と毎日違ううえ、帰宅は定時に帰宅して自宅で夕食を取る毎日なので昼休みが怪しいという。
奇妙な依頼に明智は「困った」と言いますが、困った理由はランチタイムの仕事になるため自分がランチを取れないという点です。
いつものお弁当の移動販売カーのお弁当が食べられない。依頼よりも昼食の心配をする明智はやはり食べ物へのこだわりが強いです。
浮気調査の結果、依頼人の夫は会社の近くのカフェ店員の女性の自宅で毎日昼食を食べていました。浮気であるかは不明ですが、
明智がその事を依頼人に報告します。依頼人は取り乱すことなく淡々と「夫とは離婚する」と言って帰ります。

明智がいつものお弁当屋でお弁当を買って探偵事務所で食べているとテレビで殺人事件の報道をされているのを目にします。
被害者は依頼人の夫で殺人現場はカフェ店員の自宅前でした。明智は依頼人に電話して「浮気している旦那さんなんて放っておいて
僕とデートしましょう」とオーベルジュに誘い出します。明智がオーベルジュに着くとそこにいた依頼人はいつもの地味な
女性ではなく、ドレスを着た美しい女性に変身していました。依頼人は夫を殺害したと話します。
夫は浮気はしておらず、カフェを持つことが夢である女性のために料理を味見するために毎日女性の部屋に通っていました。
依頼人も「夫とカフェ店員は男女の関係ではないのは分かっている」と言いますが、浮気より悪いと言います。
「どんな夫婦でも年を取るとセックスはしなくなるけれど、食事はどちらかが亡くなるまで続く大事な夫婦の営みだわ」
「自分には空腹を満たすためだけの食事をさせておいて若い女とスパイスや香草をたっぷり使った素敵な手料理を楽しんで
いたことが許せなかった。」それが殺害の理由でした。

この後、依頼人は崖から飛び降りて死んだように思われますが、後日 明智の探偵事務所に１通のハガキが届きます。
差出人はマグダラのマリア。マリアはこの事件の後も殺人を繰り返します。明智に見つけ出してもらって会いに来てもらうために。

　明智は美食家てすが、高級な食べ物しか食べないわけではなく、庶民的な食べ物も好んで食べます。そのお弁当屋をしている女の子
小林苺の料理も「なかなか悪くない」と言って毎日のように食べています。移動販売カーでカード払いをしようとし、
使えなくて結局ツケを繰り返す明智の世間とズレたところには、思わず笑ってしまいます。
苺は物怖じしない性格で、明智にもズケズケものを言い返します。明智は苺を「小林一号」と呼んで、たびたび事件にかり出します。
苺は明智に振り回されて車を出したり待ちぼうけを喰らったり、時には事件解決のヒントになる料理を作ったりします。
何気ない苺の言葉から明智はヒントを見つけて事件を解決していきます。

　ユニークな組み合わせですが、グルメな明智と料理人の苺はよいコンビです。ふたりのやり取りは、お互い言いたいことを言ってますが、
噛み合っていないことも多くて それがとても楽しいです。どちらも我が道を行くって感じがいいですね。

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