キャンドルを消す前に【著者:牧あけみ,原作者:デイ・ラクレア】感想ネタバレ
さらさ
「キャンドルを消す前に」のポイント
- 登場人物がみんな素敵で、泣けるお話です。
- コンピューターに翻弄されているところに笑ってしまいます。
- ヒーローが妻を亡くしていて、その子どもが母親をほしがっています。
編集部レポート
あらすじと概要・評価
原作者:デイ・ラクレア
ジャンル:ピュアロマンス
原題:The Miracle Wife
タグ: 泣ける・癒し
5歳の少女リヴァーには母親がいません。
コンピューターのジェムにケーキキャンドルを消す前に願いごとを唱えれば叶うと聞いて、大好きな絵本に登場する
「妖精ジャスティスが私のママになりますように」
と願いごとをします。
すると、妖精ジャスティスにそっくりな女性J Jが本当に現れます。
JJは義兄の会社の秘密の慈善事業のため、コンピューターのジェムからの連絡を受けて来ただけなのですが、
リヴァーはママになってもらえると信じ込んで舞い上がっています。
ところがリヴァーの父レイヴァンはおとぎ話が大嫌いなので、怒って彼女を追い返そうとします。
何か事情があるようですが、やがてJJとレイヴァンは惹かれ合っていきます。
【主な登場人物・キャラクターについて】
JJ(ジル・ジャスティス・ランデル)
ブラックストーン社の社員。
義兄の会社の秘密の慈善事業であるサンタプロジェクトで子どもの夢をかなえるためコンピューターのジェムの指示でリヴァーのもとにやってくる。
美しく聡明な女性。
レイヴァン
リヴァーの父親。
リヴァーが幼い時に妻を亡くした。
その死因のせいで、おとぎ話や妖精が嫌い。
娘を愛して大切にしているが、リヴァーが妖精のお話しに夢中になっていることを懸念している。
マサイアスをよく思っていない。
リヴァー
レイヴァンの娘。
生まれてすぐに母を亡くしており、父レイヴァンで愛されてまっすぐに育っているが母親がほしいと思っている。
ジャックが執筆した絵本「ドラゴンを探して」に夢中になっている。
コンピューターのジェムに願い事をする。
ジャック・ラビット
JJの姉。
絵本作家。
妹のJJをモデルにして「ドラゴンをさがして」を執筆。
作中の妖精は妹JJをモデルにした。
マサイアス・ブラックストーン(ドラゴン)
JJの義兄。
ジャックの夫。
ブラックストーン社の社長。
ドラゴンと呼ばれている。
【感想】
この作品を描いた牧あけみ先生は、ハーレクインをたくさん描いてらっしゃいますが、ヒーローやヒロインだけでなく周りの人物も温かくて素敵な人たちが登場します。
特に子どもやお年寄りが可愛らしくストーリーの重要な部分を担う作品も多いです。
ヒロインは、美人じゃないけど魅力的なタイプ、例えば真面目で家族思いで健気とか、勝ち気で勤勉でユーモアがあるとか、ヒーローとヒロインが反発しながらも惹かれあうといったように、一緒に過ごすうちに会話が弾んで親密になっていく、 外見だけでなく内面で惹かれあうというようなパターンが多くて好感が持てます。
もちろん美人のヒロインもたくさんいます。
そして、読むと心が温かくなり幸せな気持ちになれるので、大好きです。
この「キャンドルを消す前に」は、ヒーローであるレイヴァンの娘リヴァーが誕生日のケーキのキャンドルを消す前に願い事をすることから始まります。
リヴァーの願い事は、「絵本の妖精ジャスティスのようなママができること」です。
生まれてすぐに母親を亡くし、父親は愛してくれているけれども仕事で忙しいため、寂しい思いをしているからです。
しかし、ヒーローのレイヴァンはおとぎ話が大嫌いでのヒーローと妖精を信じる娘リヴァーを心配しています。
妻の死に関係しているからとはいえ、幼い子供がおとぎ話を信じていることをよく思っていない様子を見ていると、
リヴァーが少し可哀想だなと思いました。
それに反して、娘のリヴァーは純粋で可愛らしく人懐こくいですが、同時にとても利発で父親のレイヴァンも舌を巻くほどです。
二人の会話はとても面白くて、こんな娘が欲しかったなぁと思います(笑)。
ヒロインのJJは、絵本の妖精のモデルになるくらい美人で、でも勝ち気なところもありますが、可愛らしい女性です。
初対面のレイヴァンに履いているパンプスを投げるヒロインはあんまりいませんが、それでも高飛車な印象は受けず、
むしろリヴァーを思いやる気持ちはとても素敵な女性だなと思いました。
レイヴァンとJJは、初めは反発していましたが、リヴァーと一緒に過ごすうちに惹かれ合います。
ハーレクインにはよくある展開ですが、私は大好きです。
一目ぼれで、ずっと大好きでそのままハッピーエンドなストーリーも情熱的ですが、
反発しあいながらも惹かれあうほうが、盛り上がります。
そして、このストーリーのカギを握るのがコンピューターシステムのジェムです。
忙しいレイヴァンに代わってリヴァーの相手をしているのですが、冷たい感じや孤独は不思議と感じず、むしろその会話は家族そのもので不思議と温かさを感じます、
コンピューターとおとぎ話、一見正反対に思えますが、よくマッチしていたと思います。
ジェムが子どもの夢を叶えるために自分の意思で行動したことを切っ掛けに、人間が翻弄されてドタバタし、
やがて謎は解けてハッピーエンドになるストーリーです。
始めは何のことか、よく分からないところもありましたが、
読むにつれて、「そういうことか。」と納得し、笑ってしまいました。
最近は、AIが身近になり、近い将来に同じようなことが起こるかもしれないな、などと思ってしまいました。
この作品で1番好きなところは、リヴァーが、JJにママになってもらうという夢を叶えるために、
自分の宝物である人形のドリーをドラゴンに差し出すところです。
実際にはドラゴンは人間で、JJも妖精ではなく人間なのですが、ドラゴンや妖精を信じるリヴァーが、願いごとを叶えるために絵本に書いてあったものを集めてそれを渡すシーンは、
何度読んでも感動して泣いてしまいます。
ドラゴンもリヴァーの宝物を受け取ってしまいます。
私なら受け取らないとか、その場で返してしまいそうですが、願い事をきくドラゴンらしくてとてもよかったです。
最終的にレイヴァンとJJは結ばれてハッピーエンドとなりますが、願いがかなったあとでクリスマスプレゼントとして、
さりげなく宝物をリヴァーに返してあげるところが心憎い演出だな?と思いました。
とにかく感動で泣ける作品です。
【これから読む方へ】
家族や愛する人をお互いに思いやる、ほのぼのした癒し系のストーリーで、読むと優しい気持ちになれる作品です。
大人たちは子どもに「おとぎ話と現実は違うんだよ」といいますが、この作品のヒーローとヒロインの巡りあわせは、
現代のおとぎ話のような展開でした。
ラストはほろっと泣かせるシーンもあり、とても楽しく読めました。
癒されたい方や、泣けるお話、感動的な心温まるストーリーがお好みの方におすすめします。
(おとぎ話といっても乙女チックやメルヘンチックな感じではありません。)
ゴージャスなファッションやシュチエーション、情熱的なラブストーリーや大人のホットなシーンをお好みの方、
ハラハラするスリリングなラブストーリーやアクションをお好みの方には、あまり合わないかもしれません。
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