JICA(ジャイカ)海外協力隊の職員の仕事、TOEIC資格、美術教師になるには?
うさ乙女
編集部レポート
目次
JICA(ジャイカ)とは?
独立行政法人国際協力機構(どくりつぎょうせいほうじんこくさいきょうりょくきこう)
英: Japan International Cooperation Agency、略称JICA、ジャイカ。
JICA – 国際協力機構
JICAボランティア事業は,開発途上国や日系社会からの要請(ニーズ)に基づき,それに見合った技術・知識・経験を持ち,「開発途上国の人々のために生かしたい」と望む,我が国一般国民を広く募集し,訓練を経て派遣する国民参加型事業
(ODA)JICAボランティア事業 | 外務省
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JICA(ジャイカ)労働環境と収入は
これまで、11年間小学校教師として勤務してきました。
自分の得た知識や経験を途上国で役立てたらいいなと考えるようになり、教職11年目で退職。
海外協力隊へ応募しました。
2010年から2012年の2年間、ヨルダンのパレスチナ難民局の女子中学校に派遣され、カウンターパートと呼ばれる同僚と一緒に教材開発を行ったり、他の地域で活動している美術教師と一緒に美術の企画展を行ったりしました。
労働環境と収入は、派遣される国によって異なります。
私が住んでいたヨルダンという国は、途上国というよりかは中振国。水や電気の通った首都で不自由なく暮らしていました。
派遣中はおよそ日本円で4万円くらいの給料をもらっていました。
物価が安いので、2年間で10万ほど余るくらいでした。
また、日本では派遣前・派遣中、2年間トータルでおよそ212万円振り込まれした
JICA海外協力隊の美術教師になったきっかけ。道のり
大学時代から、アジア、東南アジア、中東、北欧など、いろいろな国を回ってきました。
旅の出会いで、「難民」の存在に興味がまし、海外で難民に関わる仕事ができたらなと漠然と頭をよぎらせてきました。
大学を卒業し、神奈川県の公立小学校で教師として勤務してきました。
10年次研修を終えたころ、「日本で得た知識や経験を海外でも生かしたい。」と考えるようになり、海外協力隊に応募。実は、同僚たちから「今、この一番経験があるときにこの職を辞めるのはもったいない。
ずっと続けられる現職制度か、日本人学校勤務を考えてきたら?」と声をいただいていました。
私は教職を去り、区切りをつけたいと考えていたので、最終的に辞職することにしました。
大変だったヨルダンでの生活、ラマダン(断食月)
ヨルダンでの活動は初めの半年間は想像以上に大変でした。
アラビア語が通じず、生徒に馬鹿にされる、同僚に伝えたいことが伝えられない・・・といった、仕事での困難。
私が派遣されている地域はキャンプ内で治安もあまりよくなく、初めのころは男子中学生に面白がって石を投げられたりして、本当に嫌な思いをしました。
文化・宗教の違いによるギャップも多くぶつかりました。
たとえばラマダン(断食月)は友人や同僚に気を使いつつ、トイレで隠れて水を飲んでいました。
地方へ行くときは夏の暑い日でも、長袖を着て歩いていました。
ただ、半年たったころから、地域の人たち、お兄さんに顔を覚えてもらい、仲良しに。。
そのころになると、アラビア語もだいぶわかるようになり、意思疎通もスムーズになってきて嫌な思いはほとんどなくなりました。
JICA海外協力隊の活動、ヨルダン、パレスチナ難民キャンプで楽しかったこと
ヨルダンのアンマンにあるパレスチナ難民キャンプという特殊な環境で、毎日が挑戦の連続でした。
8割が失敗、でも残りの2割の成功のためにいつも挑戦していました。
日本の学校教育もそうですが、やはり英語数学アラビア語、理科社会などの受験科目こそ、生徒の進路を決める学問。
美術は生徒にとってのお休み時間。
遊びのようなものです。
校長先生に働きかけ、図画コンクールを催したり、美術の授業ができるだけ生徒一人ひとりにとって楽しくなるように、工夫しました。
日本のように画用紙や粘土がすぐにあるわけでなく、子供たちは質の悪い鉛筆しかもっていません。
子供たちの目の前にある、砂や土、ごみなどからも制作ができるようにしました。
生徒たちが絵を描く喜び、ものを生み出す楽しさを味わっている姿を見ると、私も本当に嬉しく「ヨルダンに来てよかったな」と感じていました。
モノがないからくできないのではなく、今の環境でどうしたらできるかを考えることが第一。
発想が浮かばなかったり、悩んだりしたらすぐに同僚や友達へ相談する。
そんなコミュニケーションを大切にしながら、毎日を一生懸命過ごしてきました。
今後この仕事を通しなりたい未来は?【フランスでのアート活動】
現在、フランスに住んでいます。
フランスでは日本のアート、特に漫画が脚光を浴びており、私の描いたイラストも好評です。
ボランティアでイラストや広告デザインをしています。
今後はフランスのトゥルーズの子供たちとアートを通じた活動ができたらいいなと考えています。
また、フランスは移民・難民を多く受け入れている国なので、地域に住む移民たちと、文化交流ができたらなと考えています。
JICA海外協力隊の美術教師なりかたは?
日本の美術教育のレベルは途上国と比較すると、大変高いのである程度絵が得意な方、教師経験がある方なら、だれでも応募可能です。
英語に関しては、TOEIC330点あれば応募可能。
中学校レベルで大丈夫です。
また、大学を卒業後すぐに海外協力隊員として派遣される人たちも多くいます。
若ければ若いほど、柔軟に対応できるという点では有利ではないでしょうか。
JICA海外協力隊では、派遣前訓練という勉強期間があり、2か月間、福島県か長野県の訓練所で派遣前の勉強期間があります。
訓練の内容は、任国の活動で必要な知識や技能を演習講座で学んだり、少人数の語学集中講義を受けます。
私は赴任前研修2か月で、はじめてアラビア語を学びましたが、2か月で外国語大学2年分に匹敵するくらいの語学力を身に着けたことを、いまでも誇りに思います。
うさ乙女
最後に、和さんのようになりたい人へ、注意点をお願いします。
JICA海外協力隊で活動する前の注意点
世界の難民問題に興味があり、ヨルダンのパレスチナ難民局の勤務を選んだ私です。
後悔しているのが、「語学」です。
ヨルダンの後、仏語圏アフリカと縁があり仏語圏アフリカに勤務してきました。
せっかく2年間でアラビア語が流暢になったのに、新しい言語を一からやり直しというのは大変骨が折れました。
ヨルダンやシリアで活動した隊員の多くは、シリア難民支援やヨルダンの文化交流などアラビア語圏、中東と関わっています。将来も引き続き海外勤務を考えているのであれば、ご自身の将来携わる言語や地域を選ぶことを強くお勧めします。
協力隊で途上国に派遣され、2年間本当に充実しており、人生の宝となっています。
みなさんに、ぜひ挑戦してほしいなと思います。
みんなの感想・口コミ・評判1件
海外での活動は怖いというイメージがありましたが、 大人と子供が一致団結して助け合う雰囲気、子供たちの笑顔を見て、 私も何時か参加してみたいと思いました。